中学受験のダブル出願とは?出願校を迷わず選ぶための完全ガイド

受験校選びをする際、「受験前日までどちらを受けるか決めきれない」ということは多々あります。

そんな時に力を発揮するのがダブル出願です。

ダブル出願とは、同じ日・同じ時刻に実施される2校の両方に出願しておき、当日はどちらか一方だけを受験すること。

たったこれだけで、直前の合格発表や倍率の動き、お子さんの体調やメンタルの変化に合わせて、選択肢を当日まで残すことができます

うまく使えば、全滅リスクを下げつつ、挑戦のチャンスも確保できます。

ただし、万能薬ではありません。

当然ながら受験にかかる費用は増え、対策が分散し、迷いも増えます。大切なのは、やみくもに選択肢を増やすのではなく、使いどころ決め方をあらかじめ整えておくこと。

本記事では、定義・使い方・判断基準・費用・当日の動き方まで、保護者の方のやることが明確になるレベルで書きました。参考になれば幸いです。

本記事の監修者

モコスタ統括マネージャー
小澤 珠美

小澤珠美

大学卒業後、大手進学塾で高校受験・中学受験の指導に15年間従事。特に中学受験において、御三家中学をはじめとする超難関校の算数指導・受験対策・保護者のサポートに尽力し、合格実績に貢献。
その後独立してさらなる成果を出し続けモコスタ専属の指導者となる。これまでに蓄積したすべてのノウハウを投入し、モコスタに通う受験生全員の第一志望校合格を全力でサポートする。
著書:『中学受験超成功法「ママは楽しく息を抜く」』ギャラクシーブックス 2017年
共著:『未来を創る〜私たちが選んだ道〜 輝く女性起業家』ブレインワークス 2017年

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目次

ダブル出願とは

ダブル出願とは、同日・同時刻に入試を行う2つの中学校に両方出願し、当日は片方だけ受験する方法です。

受けなかった学校は欠席(=辞退扱い)になります。

たとえば、A中が2月1日9:00、B中も2月1日9:00に入試を行う場合、A・B両方へ出願しておき、当日の朝に片方を選ぶイメージです。

ここで混同しやすいのが併願午後入試です。

スクロールできます
ダブル出願併願午後入試
定義同日同時刻の2校に出願し、当日は片方のみ受験日程が重ならない複数校に出願・受験同日で午前と午後に別校を受験
判断タイミング当日(発表・倍率・体調で最終決定)事前に計画固定当日(午前終了後の状態で午後を実施)
当日に受験できる校数1校(もう一方は欠席)計画通り複数回最大2校(午前1+午後1)
主な目的安全確保+挑戦の選択肢を当日まで残す計画的に合格チャンスを積み上げる1日あたりの受験回数を増やす
メリット全滅回避・柔軟性・直前の伸びに対応日程管理がシンプル・対策集中受験機会の拡大・即日リカバリー可
デメリット費用増・迷い増・対策分散・管理負荷当日の想定外に弱い体力負担大・翌日に響きやすい
向いているケース適正/安全を確保しつつチャレンジも残したい計画通りに複数合格を取りに行く滑り止め確保や当日2校受験狙い
費用影響出願料が増える(不受験分は原則返金なし)出願数に比例受験料は各回ごと・移動費も増加
注意点欠席連絡は原則不要※/手続き締切の衝突過密日程は体力管理に注意移動時間・補食・体調管理を厳密に

併願は複数校に出願して日程が重ならない範囲で全部受ける一般的なスタイル。

午後入試は、同日午前と午後で別の学校を受験する仕組みです。

ダブル出願が広まった背景には、入試回数の増加や午後入試の普及、そして即日Web発表の一般化があります。

発表時刻と手続締切の時差を活用して、出願は広く、受験は直前に絞るという合理的な戦略が取りやすくなったのです。

ダブル出願の考え方と決め方

ダブル出願は「増やせば安心」ではありません。

使いどころを見誤ると、むしろ迷いが増えて、お子さんの集中を削ぐことがあります。

ここでは、判断のブレをなくすための考え方をお教えします。

合格可能性

塾の模試や過去問演習から、志望校を【チャレンジ校(40%前後)/適正校(60%前後)/安全校(80%以上)】にざっくり色分けします。

数字はあくまで目安ですが、「どの帯にいるか」が見えていると、当日の判断が理性的になります。

特に直前期は、過去問の平均・直近の得点率も併せて確認すると良いでしょう。

合格可能性はこれまでの模試にも記載されていますので、確認するようにしましょう。

倍率(志願者数ではなく、実質倍率で考える)

掲示される志願者数だけでなく、受験者数と合格者数から計算される実質倍率に注目します。

複数回入試の繰上げ運用、同日午前・午後の併願動線などが影響し、学校ごとに実質倍率の特徴は異なります。

直前で倍率が跳ねたときに「安全な方に切り替える」もしくは「チャレンジする」の線引きを、事前に決めておくと良いでしょう。

コンディション

当たり前のようで、最も軽視されがちなのが体力とメンタルです。

午後入試や連戦が続くと、翌日の本命に響きます。会場までの所要時間、集合時刻、休憩やトイレの環境まで想像しておくと、当日の不安がぐっと減ります。

「本命のパフォーマンスを落とさない選択」が当然ながら重要です。

実際のご家庭ごとのリアルな選択

「理屈は分かった。でもうちの場合はどう決めればいいの?」

そんな声にお応えするため、よくある2つの状況をご紹介します。現場の教室で何度も見てきた典型パターンです。

2/1に適正校を受け、2/3に「チャレンジor安全圏」のダブル出願

2/2の午前、2/1に受験した適正校の発表が出ます。合格なら、2/3はチャレンジ校に挑戦する価値があります。

落ち着いた表情で帰ってきたお子さんが、「今日は手応えがあった」と言える状態ならなおさら。

一方で2/2の結果が不合格なら、2/3は安全校を確実に取りに行く。

補欠で読めないときも、安全を確保しつつ繰上げを待つのが現実的です。

ここで大切なのは、家族の合意です。「合ならチャレンジ、不・補なら安全」というシンプルな決め事を、前日までに共有しておくと、当日の感情に流されません。

同難度の2校にダブル出願、直前倍率で有利校へ

「どちらも校風が合うし、過去問の点も似たり寄ったり」。

この場合は実質倍率と出題傾向の相性で判断します。

たとえば同じ偏差値帯でも、記述量が少ない方が得意だったり、社会の配点が高い方が強みだったり。

お子さんの得意を活かせる方へ寄せると、気持ちにも納得感が生まれます。

ダブル出願で気になるお金の話

ダブル出願は、出願料がそのままコストになります。

1校あたり数千円〜2万円台が目安で、不受験でも原則返金はありません。

そのため、3〜4校の出願で4〜7万円ほどになることも珍しくありません。

たとえば、モコスタ荻窪に近い日大二中では、出願料(入学検定料)は25,000円、文化学園杉並中では20,000円となっています。

ここに交通費や過去問の追加購入などの周辺費用が乗ってきます。

さらに注意したいのが入学手続金(手続締切)です。

第一志望の発表よりも、他校の手続締切が早いと、仮納入→後日辞退という判断を迫られることがあります。ここは学校ごとに返金の可否・期限・必要書類が違います。

家族で「仮押さえの方針」「費用の上限」を先に決めておくと、当日に迷いません。

よくある疑問への答え

欠席連絡は必要?
ダブル出願で受験しない学校への欠席連絡は、原則不要です(辞退扱い)。迷ったら要項を確認し、必要であれば事務局に確認してください。

午後入試とダブル出願は同じ?
違います。午後入試は同日午前・午後で別校を受けることで、同時刻に重なりません。ダブル出願は同時刻重複を前提とした出願戦略です。

トリプル出願はあり?
おすすめしません。費用・管理・迷いの面でリターンよりリスクが勝ちやすい。原則はダブルまでにして、使いどころを絞るのが得策です。

直前出願とどう使い分ける?
先にダブルで安全マージンを確保し、良い流れが来たら直前出願で挑戦枠を足す、という順序が基本です。ただし管理負荷が跳ね上がります。出願サイトのID・PW、受験票、決済ログは一元管理してください。

まとめ

ダブル受験(ダブル出願)は、出願は広く・受験は絞るという現代的な戦略です。

受験直前まで受験校を悩めるメリットがある一方で、費用や管理負荷、対策の分散といったデメリットも抱えます。

だからこそ、使いどころを限定し、合格可能性・実質倍率・コンディションなどで決め方を先に決めておくことが欠かせません。

受験は、点数だけの勝負ではありません。

当日までの準備の質、家族の合意、そしてお子さんが自分を信じて問題に向き合えるか。そのすべてが結果につながります。
「この子の未来を預かる」という覚悟で、モコスタは学習の中身だけでなく、当日の動き方メンタルの整え方まで含めて伴走します。

お子さんの今の実力と志望校、家庭の事情に合わせて、ダブル出願のちょうどいい使いどころを一緒に設計しましょう。

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モコスタは、経験と実績豊富な講師が中心となり学習指導を行う学習塾です。

補習を中心とした個別指導から、小学1年生から6年生までの本格的な集団指導まで、受験合格に向けたサポートを行います。

コース/クラス名概要
ベーシック小学1年生から中学3年生の補習クラス。学校の授業・受験勉強の補習を行います。
マンツーマン小学1年生から中学3年生の完全マンツーマンクラス。学習塾の予習・補習や、苦手科目の重点的な学習を行います。
アドバンスクラス小学1年生と2年生を対象に、楽しく学習しながらも主体的に学ぶことを重視している集団指導クラスです。
中学受験クラス小学3年生から6年生を対象に、本格的な受験対策を行う集団指導クラスです。

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