都立高校入試 社会 マークシート+記述併用型の対策法と出題傾向

都立高校入試は、国語・数学・英語・理科・社会の5教科で行われます。

各教科は50分・100点満点で、理科と社会も主要3教科と同じ配点です。

つまり、理社を軽視すると合否に直結します。

社会の問題は大問1の最初に地形図の読み取りが出題される傾向となっています。

地形図の読み取りは気を付けないと時間がかかってしまい、さらに答えを見つけることができずに焦ってしまい、自分のペースで解くことが出来なくなってしまいます。

現行の都立入試では、マークシート方式と短文記述問題の併用型が採用されており、単なる知識の有無だけでなく、資料やグラフを読み取り、自分の言葉で簡潔にまとめる力も求められます。

出題は地理・歴史・公民の3分野から構成され、ほぼ均等な比率で出題されるのが基本です。

都立社会で高得点を取るためには、基礎知識の正確な定着に加え、資料読解力短文記述の表現力をバランスよく鍛えることが不可欠です。

本記事では、現行形式に完全対応した解答戦略と、分野別の出題傾向・対策法を詳しく解説していきます。

本記事の監修者

モコスタ統括マネージャー
小澤 珠美

小澤珠美

大学卒業後、大手進学塾で高校受験・中学受験の指導に15年間従事。特に中学受験において、御三家中学をはじめとする超難関校の算数指導・受験対策・保護者のサポートに尽力し、合格実績に貢献。
その後独立してさらなる成果を出し続けモコスタ専属の指導者となる。これまでに蓄積したすべてのノウハウを投入し、モコスタに通う受験生全員の第一志望校合格を全力でサポートする。
著書:『中学受験超成功法「ママは楽しく息を抜く」』ギャラクシーブックス 2017年
共著:『未来を創る〜私たちが選んだ道〜 輝く女性起業家』ブレインワークス 2017年

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目次

解答形式の特徴と注意点

都立高校入試の社会は、マークシート方式と短文記述問題の併用型という特徴的な形式で行われます。

マークシート方式

マークシート部分では、単一の正解を選ぶ「単一選択問題」に加え、「並び替え問題」、さらに正しい組み合わせを選ぶ「組み合わせ問題」など、形式が多様です。

単純な一問一答ではなく、選択肢を一つひとつ吟味し、条件に合致するものを見極める力が求められます。

短文記述問題

記述部分は10〜30字程度の短文で答える形式が中心です。

多くの場合、提示された資料やグラフ、統計表、地図などを根拠にして説明することが求められます。

ここで重要なのは、「正確さ」と「簡潔さ」の両立です。

問われているポイントを外さず、余計な情報を加えずにまとめる練習が必要です。

また、マークシートと記述では解答にかかる時間が異なります。

マークシートは比較的テンポよく進められますが、記述は資料の読み取りや表現の推敲に時間がかかるため、時間配分の戦略が合否を左右します。

試験全体を見渡し、どの問題から着手するか、記述にどれだけ時間を割くかを事前に決めておくことが、安定した得点につながります。

出題分野と比率

都立高校入試の社会は、大きく地理・歴史・公民の3分野から構成され、それぞれがほぼ均等に出題されるのが基本です。

おおよその目安としては、地理が全体の約3割、歴史が約3割、公民が約3割を占め、残りの1割程度が複数分野を組み合わせた融合問題となっています。

地理分野

統計資料や地形図、気候、産業構造などが頻出です。

単なる地名暗記ではなく、資料から地域の特徴を読み取り、気候や産業との関連性を考える力が求められます。

日本地理・世界地理の両方から問題が出題されているので、満遍なく学習を進めていく必要があります。

歴史分野

通史の流れを押さえる問題に加え、文化史や同時代の国内外比較が出題されます。

史料や写真を使った問題も多く、出来事と文化をセットで理解しておくことが重要です。

また、出来事が起こった順に並べかえる問題も出題されるので、歴史の学習では流れをしっかり確認しておく必要があります。

公民分野

政治制度や経済の仕組み、国際関係などが中心です。

選挙制度や国際機関、経済用語など、教科書の基礎知識を正確に押さえることが得点につながります。

注意点としては、用語の暗記だけになってしまわない点です。

具体例

「日本銀行」「国債」「公開市場操作」という用語だけを覚えても、景気が良いときに日本銀行はどんな政策をするのか説明出来ません。

(答え)景気が良いとき、日本銀行国債を銀行に売る公開市場操作を行う

融合問題

地理分野・歴史分野・公民分野以外に、融合問題が出題されます。

例えば、地理と歴史を組み合わせた地域史、公民と地理を絡めた環境問題、公民と時事問題など、複数分野の知識を横断的に使う問題です。

近年は特に、グラフや表、地図、文章など複数の資料を組み合わせて解答する資料読解型の融合問題が増加傾向にあります。

こうした問題では、単なる暗記ではなく、資料から必要な情報を素早く抽出し、正しい選択肢を導く力が試されます。

分野別対策法

地理・歴史・公民それぞれで「知識の整理」と「資料読解」の両輪を回すことが、都立社会で安定して高得点を取るための鍵になります。

地理の対策方法

地理分野では、まず白地図を活用して地名や地形、主要な産業などを自分の手で書き込みながら覚えることが効果的です。

視覚的に位置関係を押さえることで、地図問題や地域比較問題に強くなります。

さらに、統計資料(人口、産業構成、貿易額など)を読み取り、その数値から地域の特徴を説明できるようにしましょう。

統計は単なる暗記ではなく、「なぜこの地域はこの産業が盛んなのか」といった背景と結びつけて理解することが重要です。

また、地形図・気候・産業の関連付けも欠かせません。

例えば、降水量や気温のグラフと農作物の種類、地形との関係を整理しておくと、複合資料問題にも対応できます。

最後に、過去問や模試を使って資料問題の読み取り練習を繰り返しましょう。

設問文に線を引き、条件や比較対象を明確にしてから選択肢を検討する習慣をつけると、正答率が安定します。

歴史の対策方法

歴史分野では、年表と文化史をセットで覚えることが得点アップの近道です。

出来事の年代だけでなく、その時代に発展した文化や技術、建築物なども同時に押さえることで、文化史問題や時代比較問題に強くなります。

また、同時代の国内外比較も重要です。

例えば、日本の鎌倉時代と同時期の世界の出来事を関連付けて覚えると、国際的な視点を問う問題にも対応できます。

さらに、史料問題の読み取りにも慣れておきましょう。

史料は古文や漢文調の文章、絵画、写真など多様ですが、設問は必ず史料の中にヒントがあります。

キーワードや固有名詞に注目し、時代や出来事を特定する練習を積むことが大切です。

公民の対策方法

公民分野では、まず制度の目的・仕組み・効果を因果関係で整理することが基本です。

例えば「三権分立」なら、

STEP
目的:権力の集中を防ぐ
STEP
仕組み:立法・行政・司法の分立
STEP
効果:相互に抑制と均衡

という流れで理解します。

次に、経済用語とグラフの読み取りを強化しましょう。

需要と供給の関係、物価指数、GDPなどの基本用語を理解し、グラフや表から傾向を読み取る練習をします。

また、国際機関や条約の基礎知識も押さえておく必要があります。

国連の主要機関や役割、主要な国際条約や協定の目的などは、公民分野で頻出です。

単語だけでなく、その背景や意義も理解しておくと、短文記述問題にも対応できます。

過去問活用と学習スケジュール

都立高校入試の社会対策において、過去問演習は欠かせません。

ただし、やみくもに早い時期から取り組むのではなく、中学3年の9月以降に本格的に始めるのがおすすめです。

その理由は、夏休みまでに全範囲の学習と基礎固めを終えておくことで、過去問演習を「知識の確認」ではなく「実戦練習」として活用できるからです。

学校の進度

中学校により若干の違いはありますが、中学3年生の9月に全ての単元が終わっていることはありません。そのため、夏休みを利用して全範囲の学習と基礎固めを終わらせる必要があります。

基礎が固まっていない状態で過去問に挑むと、単なる答え合わせになってしまい、効果が半減します。

9月以降は、①直近3年分の過去問を解く、②出題形式や時間配分、③分野ごとの出題傾向を把握します。

1回目は得点よりも形式慣れを重視し、間違えた問題は必ず分野別に分類して弱点を明確にしましょう。

その後は、弱点分野の補強と並行して、年度をさかのぼりながら演習量を増やしていきます。

冬以降は、本番と同じ時間帯・制限時間で通し演習を行い、試験当日のリズムを体に覚えさせます。

こうした計画的な過去問活用は、知識の定着だけでなく、本番での得点力と時間管理力を同時に鍛えることにつながります。

最後に

都立高校入試の社会は、マークシート方式と短文記述の併用型という形式が特徴です。

この形式で安定して高得点を取るためには、単なる暗記力だけでなく、正確な知識の定着に加えて、資料やグラフ・統計を的確に読み解く資料読解力、そして限られた字数で要点をまとめる記述力が欠かせません。

また、出題は地理・歴史・公民の3分野からほぼ均等に行われるため、どれか一つに偏らず、バランスよく学習することが高得点への近道です。

特定の分野だけを得意にしても、残りの分野で失点すれば総合点が伸び悩むため、全体の底上げを意識しましょう。

時事問題の出題頻度はそれほど高くありませんが、出題された場合には得点差がつきやすい分野です。

特に公民や地理の統計問題に絡めて出題されることが多いため、日頃からニュースや最新の統計データに触れ、教科書内容と結びつけて理解しておくと有利になります。

そして何より重要なのは、過去問分析と型練習です。

過去問を通して出題形式や傾向を把握し、解答の手順や時間配分の「型」を身につけることで、本番でも安定した得点が狙えます。

計画的に演習を重ねることが、合格への確かな一歩となるでしょう。

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アドバンスクラス小学1年生と2年生を対象に、楽しく学習しながらも主体的に学ぶことを重視している集団指導クラスです。
中学受験クラス小学3年生から6年生を対象に、本格的な受験対策を行う集団指導クラスです。

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